生きものがく房《のにある》@越前美山

福井県美山発。我が家の犬猫インコのお話。都市育ち夫婦→移住した山里での生活のお話。野鳥観察日記もあるよ。初めての方はカテゴリー「初めての方はこちらへどうぞ」を閲覧あれ。登場人物や動物のこと書いてます。

手乗りインコのクリッピングについて

インコを30年ぶりに飼うにあたり、最近の飼育書を何種類か見て驚いたのは、手乗りの鳥の初列風切羽を切断(翼ではなく風切羽ですよー)することを「クリッピング」なんて言うようになってたんですね!

いや、まあ、少年期の私が単に知らなかっただけかもしれませんが、少なくとも当時読んだ飼育書には「クリッピング」なんていう言葉は一度も目にしなかったと思います。


勝手に「羽根切り」とか呼んでたかなー。

当時は全く疑問に思わずやっていたんですけどね。このクリッピング

野鳥を長いこと見た末に、あるいは生態を勉強した末に・・・やるとなるとちょっと躊躇を覚えます。

手乗りインコ飼育でもバードウォッチングでも日本より進んでいると思われるアメリカではクリッピングは「常識」となっているみたいですけれどもね。

以前記事にした「ザ・インコ&オウムのしつけガイド」でもクリッピングは当たり前のように(しないという考えがないかのように)書かれています。

例えばオキナインコの場合。

ティー・スー・エイサン著 「ザインコ&オウムのしつけガイド」より抜粋


初列を根元から全部かい!


インコは基本的に飛翔能力高いですからね…。

小さめの種は基本、初列風切羽は全部切るみたいです。

ほぼ飛翔力無くすみたいです。


私がクリッピングに否定的なのは第一に正にこの部分なんですよね。

「(多くの)インコのように初列風切羽も尾羽も長い飛翔能力の高い種の飛翔力を全く無くしてもいいのか?」

ということなんです。

ほーちゃんは飛び始めてからまだ一月も経たないですが、それでもそれはもう華麗かつダイナミックに飛翔します。

こんな飛ぶために生まれてきたような種の飛翔力をうばってしまったら、精神的にはもちろん、生理的にも不具合が生じないのかな?

という疑問があります。


クリッピングには「迷子の鳥を生み出させない」という大義が有り、気軽に野外にも散歩させられるという利点もあります(行動学的には若いうちに野外でいろんな物事を体験させるということは非常に重要です。飛べないと限定的にはなりますが)。この方が人間に懐きやすいとも言われれています。

確かに、ほーちゃんを肩に乗せて野外を散歩とか、考えただけでも楽しいのですが。


やはり飛べないインコには少し憐れみを感じます。

ま、それ以前に、鳥の飛翔羽する姿を間近で見ていたい、全うに飛翔できる個体の行動(クリッピングは元々持っている行動を歪めます)を観察したいというウォッチャーのエゴもあるんですけれどもね(正直、飛べないインコを見てても面白くないんです


なんにしても、ほーちゃんはしばらくはクリッピングなしで飼育してみます。

飼ってるうちに考えが変わるかもしれませんが。