福井県嶺北地方。
といっても主な活動地域が奥越(大野市・勝山市)なので、他の地域のことはよく判らないが、今年はあちこちで大規模なナラ枯れを目にする。
ナラ枯れはカシノナガキクイムシが原因である。
福井では主にコナラやミズナラに寄宿する(1個体だけクリで確認したことがあるが)。
比較的大径木の幹に横穴を空け、そこに食料となる菌を育ててるらしい。
そして、この菌への感受性が強い個体が菌に過剰に反応してどんどん枯れていくとのことである(なんか人間のアレルギーを思い出す)。
生態については良く知らないが、成虫は5mmほどで、寄宿されたナラの幹には爪楊枝ほどの太さの穴が無数に空いており、樹下にはおがくずのような木屑がたくさん落ちているのですぐ判る。
ナラ枯れは昨年までもあった。
場所によっては規模の大きなところもあったが、これほどあちこちに見かけたのは10数年福井に住んでいて初めてだ。
今年の春から初夏にかけて全く異常を感じなかった所が、8月に訪れて見るとあちこち茶色くなっていて、かなりショックだった。
中にはかなり立派なミズナラ林も含まれる。
どうも時期的(キクイムシの活動周期的)に盛夏が枯れ始める時期に当たると思われるが、今年の酷暑・少雨によるストレスがナラの抵抗力を弱らせたのが大量枯れの原因ではないかと勝手に推測している。感受性が弱くて条件がよければ枯れない個体まで枯れているのではないかと・・・。
それにしても、緑が濃くある時期に茶色い林が散在しているのは心が痛む。
いずれは葉が落ち、幹が白骨化していく。
まとまって枯れていると土砂崩れの原因にもなるだろう。
場所によってはアカマツの枯れもひどい山がある。
ダブルパンチ。
景観的にもひどい。
ほんとに・・・、日本の山はどうなるんだろう?と心が暗くなる。